現在日本で行われているボディーサスペンションはクラブなどのイベントが大半である。
その理由はやはり一般的でない事と見た目のインパクトが大きいが他にも吊られている者は「会場の空気」やより多くの人に見て貰う事による
「高揚感」でトランス状態に入るからと言える。
その見た目は痛々しく、そしておどろおどろしいものではあるが吊られている者はトランス状態になる事で痛みが消え、浮遊状態を楽しめると言う。
サスペンションのルーツはネイティブアメリカンの成人の儀式や自然復活と和平祈願の儀式とされる。
ネイティブアメリカンは「大自然のすべての事どもは大いなる神秘のもとにある」と位置付け
「人間にとって一番大切なものは自分の体であり、これは大いなる神秘の所有物ではない。したがって、かけがえのない自分の肉体の痛みを捧げる事には大きな意味を持つ。」としている。
儀式とは見た目以上に精神的な物が大きいと言う事が見てとれる。
見た目以上に精神的な物が大きいと知り、よりルーツに近づけたボディーサスペンションをしてみたいと思った。
野外でボディーサスペンションをしてみると、見た目の美しさもさることながら、体験した者はイベントとは違う開放感や高揚感を感じ「鳥の声や自然の音が大きく聞こえる」と語った。
日本には古来より自然の物には神が宿るという考え方がある。
それを「八百万の神」と呼ぶ。
自然の音を聞き、自然と調和する事は八百万の神との対話でもある。
つまり、ボディサスペンションのルーツである精神的なものを日本的にアレンジし意識している。
このアートプロジェクトは肉体と精神、それを抱擁し創り上げている世界を切り取ったものである。